第54回メールゼミ
今回は、「用語の定義」です。
「用語の定義」というと、
本題に入る前の少々退屈な項目と
捉えがちですが、
ココを押さえておかないと
本題が理解できない可能性がありますので、
飛ばさずに読んでくださいね。
聞き慣れない用語もありますが、
覚えて、社内で流通させてしまえば理解も深まり、
便利な用語であると思います。
社内で使用する用語を統一し、
誰もが同じ使用方法で用語を活用することは
一つの“標準化”と言えるでしょう。
では、はじめます。
「安全管理体制」:
事故削減・撲滅のために「運輸安全マネジメント」の
運用を主導する管理者以上で構成された体制。
「経営トップ」:
通常は、社長、代表取締役若しくは
経営層(取締役会を含む)を指します。
「現業実施部門」:
運行、整備等を担当する部門のことですね。
「経営管理部門」:
“現業実施部門”を管理する機能を有する、
“経営トップ”と“安全統括管理者”(管理責任者)を
含む部門。
「安全方針」:
事故削減・撲滅への想いを経営トップが文書化したもの。
ISO9001では、“品質方針”と表現しています。
「安全重点施策」:
“安全方針”を実現するための
“目標”と、
その“目標”を達成する
ための“達成手段”のこと。
「安全統括管理者」:
自動車運送事業法では、
一定規模以上の事業者(★1)に対して、
安全統括管理者の選任及び
国土交通大臣または地方運輸局長への届出義務を課しています。
また、一定規模未満の運送事業者における同様の役職者として
“安全統括責任者”という表現をしています。
安全統括管理者(安全統括責任者)は、
ISO9001・14001では、“管理責任者”と表現されており、
経営トップが管理層の中から任命した、
当該マネジメントシステムの責任者とされており、
「運輸安全マネジメント」においても同様の理解で問題ないでしょう。
要するに、「運輸安全マネジメント」の
かじ取りを担当する責任者のことです。こ
の責任者は社長自らが兼務することは禁止されてはいませんが、
極力、社長以外の経営層(執行役員も含む)から
選任されることをお勧めします。
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★1:安全統括管理者の選任・届け出が必要な規模
旅客自動車運送事業(一般乗用を除く)・・・・・200両以上
一般乗用旅客自動車運送事業・・・・・・・・・・300両以上
貨物自動車運送事業・・・300両以上(被けん引自動車を除く)
全ての貸切バス業者
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コミュニケーション:
情報交換と理解してください。
具体的な方法としては、
会議、ミーティング、メール、ホームページ、朝礼等があります。
ISO9001では、“内部コミュニケーション”という
社内のコミュニケーションと
“顧客とのコミュニケーション”という
外部とのコミュニケーションを分けて考えています
(注:ISO9001では、“顧客”の定義は非常に広い)。
マネジメントレビュー:
マネジメントレビューは、ISO9001の
「マネジメントレビュー」をそのまま引用しています。
ISO9001の1994年版の日本語翻訳版である
JISZ9901には、
「マネジメントレビュー(経営者による見直し)」という、
日本語の注記(経営者による見直し)がついていたのですが、
誤解を招く恐れもあり2000年版改訂時に
JISQ9001では日本語の注記は外されました。
私は1994年版ISO9001から関わってきた
今では少数派の審査員ですが懐かしい限りです。
「運輸安全マネジメント」におけるマネジメントレビューとは、
しくみを一通り運用した結果をもとに
経営トップとして改善や見直しを行うことです。
私は、「経営層から 御触れ を出すこと」と
コンサルや審査の場で伝えています。
しかし、経営層から 御触れ(指示等) を出すと言っても、
経営層から見れば、 御触れ(指示等) を出すためのネタが必要
ですね。
その、ネタこそが、「運輸安全マネジメント」への取組み状況
(目標の達成状況、教育の実施状況、事故の発生状況、内部監査の
結果等)
なのです。
継続的改善:
マネジメントシステムの根底にある考え方であり、
事故削減・撲滅のために必要な活動が連続して途切れることなく、
継続的に実施されることです。
是正措置:
ISO9001の「是正処置」ですね。
「ガイドライン」に記述の通り、問題や課題の原因を追究し、
その原因を取り除くことでありいわゆる再発防止処置のことです。
予防措置:
「是正措置」は、起きてしまった不適合(問題)の
発生原因を追究し、その原因を取り除くことでしたね。
「予防措置」は、まだ起きてはいないが、
起こる可能性がある不適合を予め想定し、
その起こりうる不適合の発生原因を追究し、
その原因を予め取り除いておくことです。
(ISO9001・14001では、「予防処置」)
関係法令等:
運送事業者として守らなくてはならない貨物自動車運送事業法、
道路運送法、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法等はもちろん、
業界や協会の規則や指針、
運送事業者自らが設定した規則・ルールが該当します。
今回は、ここまでにしますね。
最後までお読みただき感謝です!
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