第33回メールゼミ
こんにちは!
運輸安全ドットコムの山本です。
今回も前回までに引き続き「リスク管理」における
「リスク情報の収集方法」のつづきです。
前回は、
“危険予知活動から得る「リスク情報」”
について説明しました。
今回は、
“安全パトロールから”から得る「リスク情報」についてです。
前回の危険予知活動から得る「リスク方法」の説明では、
運送業者さんは危険予知活動自体、
実施していない場合が多いと説明しましたが、
この“安全パトロール”も
実施している運送業者さんは少ないようです。
ただ、“同乗指導”と“安全パトロール”を同じに考えて
実施している場合はあるようですね。
“安全パトロール”とは、
作業現場を廻り、
不安全作業や
不安全な作業箇所を
洗い出していく活動のことですね。
運送業者さんの場合、
作業現場 = 一般公道 と考えられますので
「安全パトロール = 同乗指導」とも
考えられるのです。
ただ、事故は一般公道のみで起こるのではなく、
トラックへの積み込み時や
フォークリフト操作時に発生する可能性もあります。
むしろ、トラック運行時より、
積み込み時の方が事故発生の確率が多い場合もあります。
積み込み時の事故を
運輸安全マネジメントで削減目標とする“事故”に含めることの
正当性は???と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
公道走行時だけではなく
事故全体を削減するために取組むこことは良いことでしょう。
また、“事故”に
“商品事故”を含めることも良いでしょう。
全ての事故を削減することこそ、
運送業者さんの「品質向上」ですから。
品質を向上して顧客満足を高めることが
ISO9001であり、
このISO9001を参考に国土交通省で作られたのが
「運輸安全マネジメント」でしたね。
話は少々それましたが、
トラック走行時以外での
荷物の積み込み時等の作業現場において
安全パトロールを行い
不安全作業や
不安全な作業箇所を洗い出すことは重要なのです。
更に重要なのは、
この安全パトロールを誰が担当するのかです。
危険に対する予備知識の少ない方が
漠然と作業場を巡回したところで
不安全作業や
不安全作業箇所を発見できないからです。
しかし、最初から社内に
安全パトロールのエキスパートがいるわけではないので
最初は
「安全パトロールチェックリスト」を
活用することになります。
「安全パトロールチェックリスト」を
活用することにより、
安全パトロールの経験が無い人でも
最低限の項目は確認でき、
その後は、経験を積んで、危険発見の“目”を
養っていけばよいでしょう。
でも、この「安全パトロールチェックリスト」を
どこで手に入れればいいの? と
質問される方もいらっしゃいますね。
最近では、ネットで手に入るかもしれませんし、
書籍もあるかもしれませんが、
このようなチェックリストは一般論的着眼点で
チェック項目が策定されていますので
あなたのの会社に合致しているとは考えにくいですね。
やはり、最初はプロに依頼して
自社専用の「安全パトロールチェックリスト」を
策定してもらうことがよいでしょう。
ここで一つ注意!
安全パトロールにおいても
「チェックリスト」に頼り過ぎないことです。
ナニかを確認するとき
「チェックリスト」を頼り過ぎると
単なる、マル:○ バツ:× の
確認になってしまいます。
ISOの審査でも
「チェックリスト」のみで行う
審査は或る意味、最低の審査と評価されますね。
当然、運輸安全マネジメントの内部監査も然りです。
「チェックリスト」の
チェック項目の“背景”にあるモノを
みつけ出すことが必要でしょう。
この辺の説明は、
ここでは、省きます。
いずれ機会があるとき、内部監査実施の詳細説明時に
お話しましょう。
今回は、
“安全パトロールから”から得る「リスク情報」について
説明しました。
最後までお付き合い頂き感謝!
次回は、今回同様
「ヒヤリ情報の収集方法」の続きです。
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あおいコンサルタント株式会社
運輸安全マネジメント推進協議会
山本昌幸(ISO9001・ISO14001主任審査員、行政書士、
特定社会保険労務士、運行管理者)
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追伸(今回のオマケ):
前回同様、最近、気になる言い回しについて。
今回は“アレ”です。
皆さんもつい使ってしまいませんか?
「アレどうなってるの」 とか
「そうだね。アレはしょうがないね」。
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