第31回メールゼミ
こんにちは!
運輸安全ドットコムの山本です。
今回も前回までに引き続き「リスク管理」における
「リスク情報の収集方法」のつづきです。
前回は、“同乗指導”から得る「ヒヤリ情報」の
重要性を説明しました。
また、更に重要で
事故防止に有用なのは、
ドライバーや同乗指導員以外が感じる
「ヒヤリ情報」であること。
に触れましたが、これは、別の機会に
考えていきたいと思います。
今回は、
“現在使用している「作業マニュアル」「手順書」等”
から得る「リスク情報」を説明しましょう。
あなたの会社では、
輸送を実現するための
「マニュアル」
「手順書」
「規程」等の
いわゆる
作業手順書 は、ありますか?
今回は、これらの“作業手順書”を活用し
「リスク情報」や「ヒヤリ情報」を
あぶり出す方法を考えてみましょう。
あなたは、
事故削減には、
“プロセス管理”が重要であることを覚えていますか?
事故削減に必要な様々なプロセスをまんべんなく
適切に管理しないと事故削減は実現できないということですね。
どんなに、事故削減のために
“一点集中”でおカネや人材や設備を投資しても
それだけでは事故は減らないのです。
“プロセス管理”については、
当メールゼミのバックナンバーである
第20,21,22回を読み返してみてください。
(出来れば、23、24、25、26回も)
運輸安全マネジメントやISOの
コンサルで
ISO審査の経験が少ない方は、
この“プロセス管理”を理解していない場合が多いようです。
(専門的には“プロセスアプローチ”等の文言を使いますが、
ここでは省略します)
指導する立場である、コンサルがこの状態ですから
皆さんにとっては難しく感じる方もいらっしゃると思いますが、
この“プロセス管理”や
“PDCA”は、経営を直結していますので、
事故削減に限らず、経営を成功させたいのであれば、
是非、ご自分で理解してくださいね。
話は戻りまして
“作業手順書”を活用し「リスク情報」や「ヒヤリ情報」を
あぶり出す方法を考えてみましょう。
あなたの会社が
業務を遂行するうえで使用している
作業手順書はどのようなモノがありますか?
「安全運転マニュアル」
「○○業務手順書」
「業務遵守規程」・・・
また、必ず存在する文書として
「運行管理規程」がありますよね。
(存在すること自体、認識されていないかもしれませんが・・・)
これらの作業手順書から
「リスク情報」や「ヒヤリ情報」を
あぶり出す方法は、
作業手順書に書いてある内容を
一つ一つの作業のプロセスとして
細かく
書き出していくのです。
これで、作業プロセスの箇条書きが出来あがりましたね。
この“作業プロセスの箇条書き”をもとに
どのような“リスク”や“ヒヤリ”が隠れているのかを
あぶり出していくのです。
これが、“現在使用している「作業マニュアル」「手順書」等”
から得る「リスク情報」の収集方法です。
この際の注意点として、
1 なるべく細かなプロセスにする(箇条書き)
2 参加者は「現場の実務者」と「該当現場以外の実務者」を
含める
3 「かもしれない」的な着眼点を持つ
です。
“1”の理由は、大まか過ぎるプロセスだとリスの洗い出しが
大まか過ぎるからです。
“2”で、「現場の実務者」を参加させる理由は、
当然、現場作業に精通しているからですが、
「該当現場以外の実務者」を参加させる理由は、
日常の作業を担当しているヒト以外の着眼点の方が
リスクを洗い出しやすいのです。
日常の作業を担当しているヒトは、
いつもの作業が“当然”と思い込んでおり、
なかなか、別の着眼点が見いだせないのです。
“3”の理由は、「○○が起こるかもしれない」的な発想ですね。
今回はここまでです。
次回は、今回同様
「ヒヤリ情報の収集方法」の続きです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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あおいコンサルタント株式会社
運輸安全マネジメント推進協議会
山本昌幸(ISO9001・ISO14001主任審査員、行政書士、
特定社会保険労務士、運行管理者)
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追伸(今回のオマケ):
皆さん、他社への訪問時で靴を脱ぐとき
ちゃんと靴を揃えていますか?
靴を脱ぐ必要の無い会社の場合は別ですが、
この、「靴をそろえる」は、名刺交換以前の問題ですから
是非、意識してみてくださいね。
温泉の大浴場で、スリッパお揃えない人に限って
出るとき、揃えてあるスリッパを履いていきます。
やはり、誰もが、靴やスリッパを揃えられるのが
気持ちいいのですね。
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