第30回メールゼミ
こんにちは!
メールゼミ主宰者の運輸安全ドットコムの山本です。
今回は、前回に引き続き「リスク管理」における
「リスク情報の収集方法」のつづきです。
前回は、“ドライバーから寄せられたヒヤリハット情報”の
収集方法を説明しました。
今回は
“同乗指導の結果”です。
この、“同乗指導”については、
実施している運輸業者さんもあれば、
全く実施していない運輸業者さんもありますね。
同乗指導となると、
然るべき担当者がドライバーに横乗りして
問題点を抽出し
改善させていく作業になりますので
或る程度、人的余裕のある企業のみが
実施しているように思われます。
確かに、人的余裕が無いと実施が難しい
“同乗指導”ですが、
今後、事故削減のためには、
是非、実施していただきたいのです。
なぜ、同乗指導から得る
「ヒヤリ情報」が大切かと言いますと、
ドライバー本人が意識していない
“事故の芽”を摘むことが出来るからです。
ドライバーが
自ら「ヒヤリと感じた」のであれば、
危険を認識できるので、
防ぐことが可能なのです。
認識したうえで事故が起きたのであれば、
これは、ヒューマンエラーの
「意図した不安全行動(わかっちゃいるけどやっちまえ」と
なります。
ドライバー自らが気付かない
「ヒヤリ情報」は、
同じヒューマンエラーでも
「意図しない不安全行動(つい、うっかり)」ですから、
防ぐのは少々難しいのです。
しかし、同乗指導により
ドライバー自らが気づかない
「ヒヤリ情報」をドライバーに認識させることにより
ヒューマンエラーとして防ぐ可能性が多くなるのです。
以上、説明しましたように
「ドライバー本人が気づくヒヤリ情報」
より
「同乗指導員が気づくヒヤリ情報」が
事故を防ぐうえでは重要との説明をしましたが、
更に重要であり、
事故防止に有用なのは、
ドライバーや同乗指導員以外が感じる
「ヒヤリ情報」なのです。
要するに、
運転している本人や
それを指導する立場の同乗指導員は
いわゆる、運輸事業の「プロ」なのですが、
その「プロ以外」の一般の方々が感じた
「ヒヤリ情報」が
事故を削減するために
非常に重要なのです。
皆さんの中には、
「そんな素人のヒヤリ情報は使えないよ」と
反論される方もいらっしゃるかもしれませんが、
皆さんもご存じの通り、
交通事故は皆さん運輸事業者同士で
100%発生しているのはありませんね。
事故の相手の殆どは
一般の方々なのです。
このことからも
一般の方々を巻き込んだ
「ヒヤリ情報収集」の重要性を推察できると思います。
しかし、このような、一般の方々からの情報は
中々集まりませんし、
集める「しくみ」もありません。
この件については、
別に機会に
「どのように一般ドライバーや歩行者から
ヒヤリ情報を集めるのか?」を
考えていきたいと思います。
今回はここまでです。
次回は、今回同様
「ヒヤリ情報の収集方法」の続きです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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あおいコンサルタント株式会社
運輸安全マネジメント推進協議会
山本昌幸(ISO9001・ISO14001主任審査員、行政書士、
特定社会保険労務士、運行管理者)
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追伸(今回のオマケ):
よくマスコミ等の調査で、
「住みよい都市ランキング」と言うのがありますが、
個人的にはナンセンスかなと思います。
住んでいる本人が満足していれば、それでヨシと思いませんか?
(実は、その調査なのかなぁ?)
以前、パリに移り住んだ元芸能人?が、
テレビで
「日本が何と言っても住みやすい!」って
言っていました。
その理由の一つに、
「だって、指定した荷物が指定した日時に届くなんてフランスでは
あり得ない」
ですって。
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