第17回メールゼミ
こんにちは。
運輸安全.comの山本です。
第17回目の「運輸安全マネジメント」メールゼミです。
前回から遂に、「SHELモデル」の核心に触れていきましたね。
今回は、より、理解を深めて頂くために
「SHELモデル」のお浚いと
関連する考え方である「4M(5M)」について
説明しましょう。
では、前回説明した「SHELモデル」のお浚いです。
「SHEL」とは5つの頭文字でしたね。
それは、
L=Liveware(ドライバー本人)を取り囲んだ
S=Software(ソフトウエア)、
H=Hardware(ハードウエア)、
E=Eivironment(環境)、
L=Liveware(周りの上司、同僚、部下)。
図で示しますと
(メール文書ですので上手く図が表現できてなかったらスミマセン)
H
H L L
S
と、なります。
では、一つ一つ運送業にたとえて説明しましょう。
L=Liveware(ドライバー本人)は、そのままですね。
S=Software(ソフトウエア)とは、
作業指示、手順書、運行計画、教育訓練、
整備等のソフトにかかわること
H=Hardware(ハードウエア)とは、
車両、設備・機械、安全機器
(デジタコ、ドラレコ、バックアイカメラ等)
E=Eivironment(環境)、
天候、時間帯(夜、昼間)、温度、作業環境、車内環境等
L=Liveware(周りの上司、同僚、部下)
ドライバーに指示する上司、運行管理者。
部下、同僚、人的要素、組織風土
などです。
これら、5つの要因に「溝」が生じた場合に
エラー・・いわゆる、事故 が発生します。
例えば、
中心のL=Liveware(ドライバー本人)と
H=Hardware(ハードウエア)に
「溝」がある場合を想定してみてください。
どのようなものがありますか?
皆さんも考えてみてくださいね。
・・・・
・・・・
・・・・
いかがですか、思いつきました?
せっかく考えて頂いたのですが、
ここでは、私が思いついた事例で説明しますね。
ドライバー本人(L)と
ハードウエア(H)ですから、この際、
ハードウエア=トラック で考えてみましょう。
いろいろな事例が考えられますが、
事故原因になるモノを幾つか列挙しますね。
・2トン車を10年運転していたが、慣れない4トン車を運転して
事故発生
・いつもはバックアイカメラ装着車両で運行していたが、
未装着車両を運行し事故発生
・本日から運転する車両の運転席からの視界が
今までの車両と異なり視界不良で事故発生
などです。
もちろん、
ドライバー本人(L)単独や
ハードウエア(H:トラック)単体としても
事故原因になることもあります。
以上が、「SHELモデル」の考え方でした。
今回は、これに、
「Management」を追加してみましょう。
要するに
「SHEL + Management」です。
通常の「SHELモデル」に
「Management」の考え方をプラスするのです。
但し、場合によっては、
「Management」は、
SHELの中の
「L=Liveware(周りの上司、同僚、部下)」に
含まれていると捉えることもできますが、
今回は、敢えて、別枠で考えてみましょう。
「SHEL + Management」で重要なのは
一つ一つのSHELを取りまとめたり、
「溝」を無くすためには、
「Management」が不可欠と言う考え方です。
「Managemento=管理」を適切にすることにより
各SHELの不協を無くし、
エラー=事故 を防ぐというものです。
次に、「SEELモデル」と同様の
「4M(5M)」について説明しましょう。
これは、
Man(ドライバー本人)、
Machine(車両、機械・設備、安全機器等)、
Media(環境の要素:天候、作業環境)
Management(管理体制、制度)
及び
Mission(作業目的、達成手段)
のことです。
ヒューマンエラーが起こる原因は、
必ず、この4M(5M)にあるという考えに立っています。
よくよく見てみると、
「SHELモデル」に共通するものがありますね。
次回は、実際に有った事故事例を
SHELモデルで分類・説明していきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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あおいコンサルタント株式会社
運輸安全マネジメント推進協議会
山本昌幸(ISO9001・ISO14001主任審査員、行政書士、
特定社会保険労務士、運行管理者)
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追伸(今回のオマケ):
最近と言いますか、ここ数年(数十年?)の政府の活動や
役所等行政機関の活動を見ていて感じることは、
「お上は必ずしも正しくはない」と言う事でしょうか。
運輸安全マネジメント制度についても
役所が策定したとは思えない、「良い制度」だとは思いますが、
その運用を管理・監督することに対して
思考錯誤が続いているのかもしれません。
運輸事業者の皆さんとしては、
役所からの評価が重要ではなく、
運輸事業者の責任として「事故の削減・撲滅」を
淡々と愚直に勧めて頂きたく思います。
このような、厳しい経営環境や
地球温暖化防止が叫ばれる中、
「事故の発生」こそが、経営環境を圧迫し、
地球温暖化にも悪影響を及ぼすことになりますから。
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