第14回メールゼミ
こんにちは。
運輸安全.comの山本です。
第14回目の「運輸安全マネジメント」メールゼミです。
前回から、
「リスク管理」と
「ヒューマンエラー対策」についての説明に
入って行きましたね。
今回もその続きで、
「ヒューマンエラー」の発生原因について
説明してみましょう。
その前に、国土交通省で定義されている
「ヒューマンエラー」の定義である
1 意図した不安全行動
2 意図しない不安全行動
を再認識しましょう。
前回のメールでも書きましたが、
“1 意図した不安全行動”とは、
自分でもわかってはいるけどついやってしまう不安全な行い
ですよね。
具体的には、
信号が黄色から赤に変わったけどそのまま直進 とか、
製造機械の安全装置を取り外したまま使用する ですね。
“2 意図しない不安全行動”とは、うっかりミス等ですね。
具体的には、
トラック発進時に安全確認を怠った とか、
ハッチを閉め忘れた ですね。
これら発生原因は、ヒューマンエラーを引き起こした
「本人」と様々な要因が絡み合って引き起こします。
では、その「要因」を分類してみましょう。
1「本人」と「機械・設備」の問題
2「本人」と「しくみ、作業指示等」の問題
3「本人」と「環境(作業環境、天候等)」の問題
4「本人」と「周囲の人々」の問題
それと、
5「マネジメント」の問題 もありますね。
それでは、前述の意図した不安全行動のうち
“信号が黄色から赤に変わったけどそのまま直進”の
原因を探ってみましょう。
ここで、認識して頂きたいのは、
結果としては
いわゆる信号無視ですが、その原因は、
様々だという事ですね。
そこで、原因追究パート1として
なぜ、
“信号が黄色から赤に変わったけれどそのまま直進”
したのか?
「信号が見え難かった」
なぜ
“信号が見え難かった” のか?
「西日が反射していたから」
なぜ、
“西日が反射して見え難かった” のか?
「季節・時間によっては西日が信号に直撃し、反射しやすい信号で
あった」
以上のように、「なぜ」を3回繰り返した結果、
信号事態の機械的な問題が原因であることが判りましたね。
と、同時に
“1 意図した不安全行動”ではないことも判明しました。
現在では、信号に改良が加えられ、
発行面に庇(ひさし)をつけたり、
角度を変えたり、
反射しにくい発光ダイオードが使われるようになったり・・・
ですね。
この事例は、いわゆる
“1「機械・設備」の問題”と言えるでしょう。
次に原因追究パート2として
なぜ、同じヒューマンエラーである
“信号が黄色から赤に変わったけれどそのまま直進” したのか?
を別の観点で追及してみましょう。
なぜ、
“信号が黄色から赤に変わったけれどそのまま直進” したのか?
「急いでいたので」
なぜ、
“急いでいた” のか?
「急がないと遅配になるから」
なぜ、
“遅配になる” のか?
「配車計画に無理がある」
仮に、“配車計画に無理がある”ことが
原因で有れば、
「無理のない配車計画を立案する」ことが
再発防止につながるでしょう。
この事例は、
“2「しくみ」の問題”と言えるでしょう。
(もちろん、他の考え方もありますね)
但し、「なぜ」を3回繰り返したからと言って
真の原因に到達できるかは不明ですし、
最初の「なぜ」に対する答えが違っていれば、
何回、「なぜ」を繰り返しても
真の原因には到達できないでしょう。
(有る有名企業は「なぜ」を5回繰り返すと言われています)
そうしますと、一つのラインで
「なぜ」「なぜ」を行う事にも限界がある場合があります。
これらの手法については別の機会で解説したいと思います。
本日覚えていただきたいのは、
「原因追求の難しさ」と
「原因追求の必要性」です。
次回は、さらに、他の事例で
原因追究を行い、分類を試みてみましょう。
では、今回はこの辺で失礼します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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あおいコンサルタント株式会社
運輸安全マネジメント推進協議会
山本昌幸(ISO9001・ISO14001主任審査員、行政書士、
特定社会保険労務士、運行管理者)
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追伸(今回のオマケ):
皆さん、いろいろな会社にお邪魔する方も
多いと思いますが、その時、“気”を感じることはないですか?
“気”とは、「活気」「ヤル気」「雰囲気」・・・・
私は、仕事柄、スグ、この“気”を感じてしまいます。
(決して、霊感は強くないのですが)
建物や事務所が古くても、“とても良い気”を感じる会社、
新築の事務所でも“どよーんとした気”を感じる会社・・・
まぁ、この“気”は、あくまで私の主観なのですが、
結構、的を得ているような気がします。
皆さんは、いかがでしょうか?
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