第13回メールゼミ
こんにちは。
運輸安全.comの山本です。
第13回目の「運輸安全マネジメント」メールゼミです。
前回は、「安全マネジメント」の3つの重要な柱は、
“マネジメントシステム”、“プロセス管理”及び
“事故に役立つ情報活用”であること。
そして、“事故に役立つ情報”は、事故削減・撲滅の“切り札”で
あり、内容としては
「リスク管理」と
「ヒューマンエラー対策」であることを説明しました。
今回から、
「リスク管理」と
「ヒューマンエラー対策」について詳しくかつ
初心者でも判り易く説明していきます。
この2つについて、どちらを先に説明すべきか・・
通常であれば、「リスク管理」を先に説明すべきですが
当メールゼミでは、「ヒューマンエラー対策」を先に説明しますね。
ただその前に、ごく簡単に「リスク管理」の一部である、
「リスクアセスメント」を説明したいと思います。
「リスクアセスメント」を日本語に直訳しますと
「危険分析」や「危険評価」ですね。
要するに皆さんの会社が処理している業務の
「危険分析」を行う事です。
この「危険分析=リスクアセスメント」の実施方法は
1種類だけではないですが、私がお勧めしている方法として
会社が処理している業務を一つ一つの
プロセスに小分けして、その小分けしたプロセスについて
“発生の頻度”と“発生した場合の影響度”をもとに評価します。
そして、その評価結果をもとに対策を検討していくのです。
私の専門分野の一つである、
「ISO22000=食品安全マネジメントシステム」や
「OHSAS18001=労働安全衛生マネジメントシステム」や
「ISO27001=情報セキュリティーマネジメントシステム」
を取組む場合の最初に実施する内容ですね。
また、「ISO14001=環境マネジメントシステム」で
最初に行う、「環境側面の抽出 → 環境影響調査」も同様です。
ここでの「リスクアセスメント=危険分析」の説明は、
これくらいにして、
「ヒューマンエラー」について説明していきましょう。
“ヒューマンエラー”??
これも直訳すると
“人間の失敗”でしょうか。
ヒューマンエラー関係の学者さんたちは
故意
人災――
災害――― 過失=ヒューマンエラー
天災
と、分類する方が多いようですが、
ここでは、人災のうち
“故意”も“過失”もヒューマンエラーとして位置付けましょう。
ただ、ここで“天災”を省くことが適切であるのか?
また、ヒューマンエラーの要因として“天災”も
考えられることから、前述の分類は
参考程度にとどめておきましょう。
でも、ここまで読まれて、ヒューマンエラーとは
どのようなものなのか、依然として
よくわからない読者が多いのでは?
では、このように定義してみましょう。
「ヒューマンエラーとは、故意や過失を問わないし、
天災も省くものではない」
うーん・・余計わからなくなりました?
では、国交省でよく使用されている定義で行きましょうか?
ヒューマンエラーとは
1 意図した不安全行動
2 意図しない不安全行動
“1 意図した不安全行動”とは、自分でもわかってはいるけど
ついやってしまう不安全な行いですよね。
具体的には、
信号が黄色から赤に変わったけどそのまま直進 とか、
製造機械の安全装置を取り外したまま使用する ですね。
“2 意図しない不安全行動”とは、うっかりミス等ですね。
具体的には、
トラック発進時に安全確認を怠った とか、
ハッチを閉め忘れた ですね。
この説明だと、理解していただけたのではないでしょうか。
最初からこのような説明をすればよかったのでしょうが、
なんで、こんなに回りくどい説明をしたのかと言いますと、
今後、皆さんもヒューマンエラーを学んでいくのであれば
自分たちの狭い世界のヒューマンエラーの定義だけではなく
一般論も頭の片隅に入れておいてほしかったのです。
この「ヒューマンエラー対策」は、いろいろ使い道が多いのです。
運輸業界の交通事故だけではなく、
「伝票の入力ミス」だとか「階段からの転倒」・・・・
これらの問題を「ヒューマンエラー対策」で考えていくと
かなり使えるのです!
では、次回からは、ヒューマンエラーの発生原因について
説明していきます。
原因が判れば、防ぐことができますので。
今後は、4週間に一度の割合で
このメールゼミをお送りいたします。
よろしくお願いします。
では、今回はこの辺で失礼します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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あおいコンサルタント株式会社
運輸安全マネジメント推進協議会
山本昌幸(ISO9001・ISO14001主任審査員、行政書士、
特定社会保険労務士、運行管理者)
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